おお、それ見よ!
日本では、イタリアの歌の中でも、ナポリ民謡と言われるものがよく知られている。「オーソレミオ」や「サンタルチア」、「帰れソレントへ」など。ゆったりとしたテンポで、南イタリアの明るい空、青い海が目に浮かぶようだ。
で、「オーソレミオ」だが、題名の意味を知っている(と思っている)人の多くが、「おお、私の太陽!」と思っているのではないだろうか。実は私自身も、何となく、「オー」は感嘆詞だと思っていた。
原語では、‘O sole mio. 実はこの’Oは、感嘆詞ではなく冠詞。英語のTheと同じだ。つまり、「おお!」という感動の音が入っているわけではない。単に、「私の太陽」ということ。
標準イタリア語であれば、冠詞は、il(イル)となる。「‘O」というのは、ナポリ語の冠詞。ウィキペディアで調べたところ、言語学的には、ナポリ語であって、イタリア語のナポリ方言ではないそうだ。
南イタリアはかつてナポリ王国として、独立国家だったので、それも関係しているかもしれない。そういえば、最近よくニュースに出るカタルーニャで話されているのも、スペイン語の方言ではなく、カタルーニャ語だ。
世界最古のコマーシャルソング
さて、何でしょう?
これも、よく知られたナポリの歌、「フニクリフニクラ」。日本では、登山電車の歌とか、「鬼のパンツ」で覚えている人が多いかも。私自身、歌としては知っていたが、コマーシャルソングだったことは、イタリア語レッスンの際に初めて知った。
その起源は1880年。ヴェスヴィオ山に登山電車が敷設された時のこと。利用者が少なかったため、客寄せのためにオリジナルに作られた歌だそうだ。その後、ナポリ民謡と勘違いされて盗用されたり、紆余曲折を経てスタンダードソングになっていったようだ。
なお、このケーブルカーは1944年のヴェスヴィオ山の噴火で壊れ、運行されなくなったとのこと。現在のナポリでは4系統のケーブルカーが走っていて、坂の多いナポリの移動に便利とのこと。
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