気温の表現は?
立春も過ぎれば、目立って日が長くなり、日差しも毎日春めいてくる。こんな時、「暖かくなりましたね」などと、会話を交わすのが日本人の風情だ。
英語では、寒い (cold)、涼しい (cool)、暖かい (warm)、暑い (hot) という表現があり、日本語の気温の表現をだいたい置き換えることができる。一方イタリア語の辞書では、「寒い」は、freddo(フレッド)、「涼しい」はfresco(フレスコ)だが、「暖かい」「暑い」は両方ともcaldo(カルド)になる。
スペイン語やフランス語についても見てみたが、やはり「暖かい・暑い」という表現はひとつの単語になるようだ。また、ドイツ語には、warm (ヴァーム=暖かい)、heiße (ハイセ=暑い)の二つの表現があるが、warmもheißeも「暑い」という意味で使われるらしい。
暑いか寒いかだけ?
どうもヨーロッパ語において気温を端的に表す単語は、暑いか寒いかのどちらかのようだ。イタリア語の場合、寒いと暑いの間でちょうどいい気温の場合に、frescoという単語が使われるらしい。
「涼しい」「暖かい」と言いたいときは、meno caldo(メノカルド=それほど暑くない)、meno freddo(メノフレッド=それほど寒くない)というのが日本語の感覚に近そうだ。
日本語は、気温に関する言葉が豊かだ。春暖、酷暑、秋冷、霜寒など、時候の挨拶にも幅広い表現がある。単に寒暖を表すのではなく、四季を愛する日本の文化の現れとも言えるだろう。気温を外国語で表現するのは、なかなか難しいものだ。
おまけ
イタリア語の姉妹語であるスペイン語では、「寒い」はfrío(フリーオ)、「涼しい」はイタリア語と同じfresco(フレスコ)で、暑いという単語としては、cálido(カリド)というのがある。
ただ、「暑いですね」という場合はこの単語を使わず、Hace calor(アセ・カロール)というのが普通だ。この表現、聞くたびに「汗・カロール」と聞こえてしまい、汗だくになる暑さをイメージしてしまいます ( ̄Д ̄;;;
もう一つおまけ
汗(?)・カロールの「カロール」は、暑さ・熱さを表すスペイン語。ラテン語も同じ calor。英語の calorie(カロリー=熱量)というのは、ここから来ている。
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