2018年4月26日木曜日

イタリア語なるほどメモ19 「イタリアの鉄道」




日本と違う鉄道事情



鉄道の旅というのは、味わい深いものだ。車窓からの景色を楽しんだり、現地の人とのふれあいがあったり。また、地続きのヨーロッパでは、電車に乗ったまま別の国に行ける。パスポートを出す必要もなく、荷物チェックもなく、国境を超えられるのだ。島国の日本人としては、こんな時、特別な感慨を覚える。




また、ヨーロッパの鉄道事情は、日本とはだいぶ異なる。鉄道の旅は異国情緒を味わういい機会だ。(良きにつけ、悪しきにつけ ^^;;


遅れること

日本では、30秒遅れるだけでお詫びのアナウンスが入るほど、ダイヤが正確だ。一方、私の知る限りでは、イタリアなど南欧では、30分や1時間遅れることはよくある。駅の電光掲示板に書かれている到着予定は、「ritardo(リタルド=遅れ)」、または略して「rit」と表示されていることが多い。


大きな駅はターミナル

私がイタリアで利用したことがあるターミナル駅は、ローマ(テルミニ)、ミラノ、フィレンツェ(サンタ・マリア・ノヴェッラ)。ターミナル駅のいいところは、階段を使わずにホームを移動できること。不便なのは、先頭または最後の車両に行く場合、端から端まで歩かなくてはいけないことだ。


プラットホームはイタリア語で、piattaforma(ピアッタフォルマ)という単語もあるが、駅で使われるのは、binario(ビナリオ)。英語ではbinary(バイナリー)で、「2進法」と言う意味で使われることが多い。二つを表すラテン語の「bini」から派生した「binarius」が語源。厳密には、二本の線路を表しているらしい。


ホームが低い!

日本ではふつう、ホームと電車の入口はほぼ同じ高さ。ヨーロッパの鉄道では、ホームが低く、電車には何段か階段がついている。大きな荷物があるときなどは、ちょっと不便。





日本語はなぜ「鉄道」と言うのか?

参考:https://kotobank.jp/word/外来語-43025


明治時代に多くの外来語が生まれたが、「鉄道」もその一つ。福沢諭吉が翻訳したということだ。外来語は分野によって、ドイツ語起源(医学)、フランス語起源(ファッション)、イタリア語起源(音楽)などがある一方で、多くは英語起源らしい。


鉄道はイギリスから入ってきたので、railwayという言葉が元になったはずだ。「軌条」という言葉もあったようだが、一般に使われるようになったのは「鉄道」のほう。実は、イタリア語でも鉄道のことは「鉄の道」という表現だ。




その他のヨーロッパ語も同様。


言語
鉄道
ドイツ語
Eisenbahn
フランス語
chemin de fer
イタリア語
ferroviaria
スペイン語
ferrocarril

イタリア語で「鉄」は「ferro」。と考えると、鉄の元素記号はFeであることも納得。語源はラテン語のferrum


ちょっと横道にそれるが、元素記号の由来はなかなか興味深い。一覧を乗せてくれているサイトが 



おまけ



レディーファーストが浸透しているヨーロッパでは、女性が大きな荷物を持っている場合、男性が手伝ってくれるのがふつう。だから、電車に階段があっても、網棚の位置が高くても、特に困らないとのこと。


あるブログに乗っていた話だ。男性並みの体格で、スポーツで鍛え上げた女性が、スーツケースを持っていた。すると、かなり小柄な男性が、明らかに女性より非力に見えるにも関わらず、スーツケースを運んでくれたらしい。


ヨーロッパに行くと感じることだが、レディファーストの文化は、女性側の認識も同一であるから成立しているようだ。



2018年4月23日月曜日

ことばと文化9「日本語は難しい?」





外国語としての日本語



日本人は英語が苦手、とよく言われる。教育の問題とか、そもそも文法や発音が違いすぎるから、という意見もある。では、英語を母国語とする人にとって、日本語を身につけることは、同じように難しいのだろうか。





アメリカの政府機関がまとめたもので、英語を母国語とする人にとっての外国語の習得の難易度を示したデータがある。ウェブサイトはこちら


この資料によると、同じヨーロッパ言語のフランス語やオランダ語などは、2223週(※)で一定レベルの習得ができるとなっている。一方、日本語はアラビア語や韓国語とともに、必要な期間は88週となっており、もっとも難しい言語グループにリストされている。


やはり、文法や発音の仕組みがこれだけ違うと、お互いに難しいということだ。


※この期間は、一定の適性のある人が、ある程度集中的に学習した場合について想定しているもの。誰でもこの期間で話せるようになる、ということではない。あくまでも、比較としてご参照ください。



日本語の難しさとは?



ウェブサイトやソーシャルメディアを見ると、意外に「日本語は簡単」という意見も見受けられる。これは、話し言葉に限ってのことのようだ。特に、「発音は簡単」という人が多い。


一方、文字については、苦労する人が多いらしい。日本語は漢字、ひらがな、カタカナに加え、アルファベットまで混在する。さらに漢字は2,0003,000文字を覚えなければ、新聞や書物をすらすらと読むことは難しい。ゼロから覚える人には、かなり敷居が高いだろう。


そして、日本語で一番難しいのは「てにをは」ではないだろうか。日本語が母国語でない人は、日本語が流暢に話せるようになっても、助詞の使い方を完璧にすることは難しいようだ。



がんばってもこうなっちゃう


そこで、この画像をご覧いただきたい。これはしばらく前にポストに入っていたチラシのコピー。普通はそのままゴミ箱行きなのだが、たまたま内容が目に入り、「んん?」という感じを覚えた




まず気づいたのは、「雨でも必ず回収行きます」という文。日本人であれば、明らかに書かない文章だ。「雨でも必ず回収行きます」でも不自然。「雨天でも回収します」「雨天実行」などが普通ではないだろうか。


ちょっと変だな、と思ってよく見てみると、あるわあるわ。不自然なところが随所に見受けられた。全文のコピーはこちら。変なところを探してみていただきたい。




気になるところはいくつぐらいあっただろうか。


まず全体的に無意味な太字がちりばめられている。また、「い」の文字がちょっとだけ下に下がっている。まるで一昔前の脅迫文のようだ。


また、日本語では使わない書体の漢字がところどころにある。最初の行の回収の収が、「收」。これは、中国語の「収」にあたる漢字。金属類の類や金庫の庫も変だ。どうも中国語を母国語とする人が書いたようだ。


うっかり見過ごしてしまいそうなのが、「電磁レンジ」。やはりこれは、「電子レンジ」だろう。「ここから切ります」も明らかに変。普通は「切り取り線」だ。また、「エアコン(取り出す)」というのは、何を取り出すのだろうか。


このチラシは相当日本語がうまい人が、がんばって作ったようだ。しかし日本人が見れば、日本語を母国語としていない人が作ったことは、すぐに気づく。やはり、外国人にとって、自然な日本語を書くことは非常に難しいようだ。


気づいたところを赤線でマークしたのがこれ。





おまけ



日本人は単一民族・単一言語での歴史が長く、日本語の表現について、感覚が閉鎖的なのではないだろうか。少しでも変なところがあると、どうしても気になってしまう。


一方、われわれ日本人が英語を書く場合、このチラシより、はるかに劣るレベルの表現でも何とかなっている。国際語ということもあるが、英語でのコミュニケーションにおける懐の深さに感謝すべきだろう。




2018年4月19日木曜日

イタリア語なるほどメモ18 「食後酒」




お酒は食事の一部



日本での酒の飲み方は、「とりあえずビール」に始まり、つまみ的な食事を取りながら、日本酒やチューハイというパターンが多い。そして酒好きの人はその後も延々と飲み続ける。


ヨーロッパの場合、「酒」は食事の一部。食欲を増すために「食前酒」を飲み、食事をおいしくするためにワインを飲み、消化を助けるために「食後酒」を飲む。(もちろん、本当は酒がメイン、と言う人もいると思いますが)






食後の酒は強い!



日本でも食前酒は出されることがあるが、食後酒というのはあまり見かけない。一方、イタリアなどでは、特に男性は夕食後は食後酒、というのが多いようだ。


食後酒をイタリア語でディジェスティーボ(digestivo)という。英語で消化はdigestion(ダイジェスチョン)。digestivoはまさに、「消化を助ける」と言う意味だ。食後酒はいくつか種類があるが、私が飲んだことがあるのは、グラッパ、リモンチェッロの2種類。いずれも強烈に強い。






グラッパ(grappa



ウィキペディア:https://it.m.wikipedia.org/wiki/Grappa


ブドウの蒸留酒。たいてい無色透明で、アルコール度は3060%!! 食後酒としては、ショットグラスでくいっと飲む。イタリアでは、お土産用のしゃれたボトルのものもよく見かけた。


写真はピサで買ったお土産用のグラッパとリモンチェッロ。分かりにくいが、ピサの斜塔と同じようにボトルが傾いている。




グラッパという名前は、「grapa」という言葉から来ている。これは、現代のイタリア語にはない単語。英語のgrapeと関係があるらしい。また、グラッパ(Grappa)という地方がグラッパの名産地となっているが、名前とは無関係とのこと。


ドイツやフランス、ポルトガル、スペインでも、グラッパと同じように作られる酒があり、別の名前で呼ばれている。グラッパと呼べるのは、イタリア産だけとのことだ。




リモンチェッロ(limoncello




イタリア語でレモンはlimone(リモーネ)。レモンで作ったお酒なので、リモンチェッロ。こちらもアルコール度数30%以上の強い酒。甘味があり、イタリア以外でも人気があるらしい。


日本でいうと梅酒の感覚に近い。果実・砂糖・アルコールで作るところが同じ。ただし、リモンチェッロのほうは、果実全部を使うのではなく、皮だけを使う。


作り方:表面の黄色い部分だけをひたすら剥き取り、アルコール度90%以上の酒に着けて色と風味を出す。その後、シロップと合わせてできあがり。材料さえ手に入れば、だれでも簡単に作れる。


写真は私が作ったときのプロセスを記録したもの。市販されているリモンチェッロはクリアーな色だが、出来立てのものは白濁している。





リモンチェッロも、食後酒としてストレートで飲むことが多い。「ストレートはちょっと」という人には、こんな飲み方がある。

  • 夏は炭酸と氷でさわやかに
  • 冬は紅茶に入れて、レモンティー風に(体が温まります)
  • エスプレッソに入れる(意外なおいしさがあります)
  


おまけ:アマレット(amaretto




グラッパとリモンチェッロのほかに、食後酒では、アマレットというお酒も有名だ。amarettoは、amaro(アマーロ)という形容詞の変化形。アマーロというのだから、「甘い」のかと思いきや、これは「苦い」という意味。amarettoで「ちょっと苦い」と言う意味だ。


ところで、お酒のアマレットの味は、確かに苦みはあるようだが、実は甘さもある。そのうえ、イタリアにはamarettoという名前のお菓子もある。だから、amaroと言う単語にはなぜか、甘いイメージを持ってしまう・・・


せっかくなので、味の単語をおさらいしておきます。


日本語
イタリア語
読み方
説 明
甘い
dolce
ドルチェ
スイーツは「ドルチェ」ですね
塩辛い
salato
サラート
塩の「sale」から
酸っぱい
acido
アーチド
他にasproagro
辛い
piccante
ピッカンテ
piccare(突き刺す)という動詞から
苦い
amaro
アマーロ
甘くない

  

お菓子のアマレット(アマレッティとも言う)はこんな感じ。



2018年4月17日火曜日

ことばと文化8「プレゼンテーションの極意」





日本人はプレゼンが苦手


「プレゼン」と聞けば、多くの人が故スティーブ・ジョブズ氏を思い出すだろう。アップル製品の売り上げは、彼のプレゼンに支えられていたと言っても過言ではない。とかく現代社会では、プレゼン能力がモノを言う。



一方日本人は、ほとんどの人がプレゼンを苦手としているようだ。ウェブを検索すれば、「プレゼンのコツ」や「プレゼンの上達方法」といった記事が死ぬほどある。ハウツー本や研修も限りなくある。


英語と同様、プレゼンについても、「できたほうがいい」と分かっていても、なかなか上達しないというのが現実のようだ。

  

プレゼンのコツとは?



私自身もプレゼンはかなり苦手なほうだった。特に英語で発表する機会が多かったため、母国語でないハンデもあった。そのため、いくつかの研修にも参加し、いろいろなコツを習った。





その中で私が特にテクニックとして役立つと思ったのは、次の点だ。

1.スライドにストーリーを持たせる

全体としてのテーマをもとに、スライドを構成すること。
スライドが次のスライドにストーリーとしてつながっていくこと。

例:表示しているスライドが何かのリストであれば、「次のスライドで詳しく見ていきます」といった、つながりの一言を入れる、など。


2.一方的に話すのではなく、インタラクティブに

伝えている内容が理解してもらえているか、興味を持ってもらえているか、確認しながら話すこと。

例:ボディランゲージを使って注意を引くようにしたり、質問を織り交ぜたりする。


3.自分というものを見せながら話すこと

個人的経験や意見などを織り交ぜることにより、さらに関心を持ってもらえる可能性が高くなる。

例:自分の失敗談などを入れるなど。



でも、あがってしまう!



コツは覚えても、いざ聴衆を目の前にプレゼンとなると、あがってしまってそれどころではない、という人も多い。実は私が苦労したのも、その点だった。





あがりというものは、コントロールできるものではない。ウェブを見ればいろいろなアドバイスがある。あがりを気にしない、とか、あがることこそ、成功の秘訣、などと言う人もある。鏡の前で練習するとか、録音するなどの具体的なアドバイスもある。


しかし、それでうまくいった人がどれだけいるだろう。


あがりを克服する方法はただひとつ、「場数」を踏むことしかないのではないだろうか。日本人がプレゼンやパブリックスピーキングが苦手なのは、学校での経験が少ないことに原因があるというのは、よく言われていることだ。


プレゼンの極意とは?



実は、少し前に読んだプレゼンに関する記事に、プレゼンの極意とも言えることが書いてあった。


記事のタイトルは、「Try This Simple Trick To Beat Your Public Speaking Anxiety
リンクはこちら


これは、アメリカ人向けに、いかに上がらずに、パブリックスピーキングをするかについて書かれているものだ。(人前でしゃべるのが苦手なのは、実は日本人だけではなかったのだ!)
  

そしてその極意とは、言われてみれば当然のことである。

  

「プレゼンとは、伝えること」


人がどう見ているか、発表が下手で恥をかくのではないか、などと気にする必要はない。聞いている人は、プレゼンテーションがうまいかどうかを判断するためにいるのではない。自分に必要な情報を明確に伝えてくれるかどうかで評価するわけだ。だから、伝える内容に集中すればいい。


目的は、「人前でうまく話すこと」ではなく、「必要なことを伝えること」。そう考えれば、あがりは克服できる、と書かれている。

どう話すではなく、何を伝えるかと頭を切り替えるだけ。私にとってこの記事はまさに目からうろこであった。


スティーブ・ジョブズ氏「伝説の卒業式スピーチ」


先にも書いたが、スティーブ・ジョブズ氏は、製品のプレゼンテーションで伝説的存在となった。一方、彼の最高のプレゼンとも言われているのが、2005612日にスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチだ。


いつもの製品発表とは異なり、ビジュアルに頼らないスピーチ。また、視線は原稿に目を落とすことが多く、大げさなジェスチャーもない。このシンプルなプレゼンが、世界中の人に感動を与えたと言われている。


これは、彼がありのままの自分で、伝えたい思いを誠実に語ったからに他ならないからだと思う。


ご覧になったことのない方のために、動画のリンクを入れました。ぜひご覧ください。15分弱とは思えないくらい深い内容です。







2018年4月12日木曜日

イタリア語なるほどメモ17 「イタリアのコーヒー」




日本と違うイタリアのコーヒー事情



私の経験での話だが、イタリアのコーヒーは、日本と違う点が3つある。



ひとつは日本のような氷の入ったアイスコーヒーがないこと。これは知っている人もいるかもしれない。コーヒーの基本はエスプレッソかカフェラッテ・カプチーノで、コーヒーは熱いのが当たり前のようだ。


もうひとつは、エスプレッソの濃度が非常に高いこと。日本で飲むエスプレッソは、強めのコーヒー、という感じだ。一方、私がイタリアで飲んだもので、特に濃いのは、カップの底にドロリと張り付くくらいの粘度だった。


3つ目は、夕食後にコーヒーをあまり飲まないこと。日本では食後にコーヒーというのが普通。一方イタリアでは、夕食後は「ディジェスティーヴォ」という、食後酒を飲むほうが多い。また、コーヒーを飲むとしてもエスプレッソで、カフェラッテやカプチーノのような、ミルクを入れたコーヒーはあまり飲まないようだ。



イタリアでアイスコーヒーを飲みたければ





スタバに行けばあるんじゃないの?と思うかもしれないが、実はイタリアにはスタバはない!!ミラノでの出店が予定されてはいるようだが、20184月現在では1件もないようだ。(注)


とは言え、暑いときは冷たいものを飲みたいもの。実はイタリアにもアイスコーヒー的なものはある。

  



カフェ・フレッド caffè freddo


冷たいコーヒーということ。コーヒーを冷やしたもので、氷は入っていない。



カフェ・シェケラート(caffè shekerato

シェイクしたコーヒーということ。エスプレッソと氷をカクテルシェーカーでシェイクして作ったもの。シェケナベイビーみたいな。。。(;)


グラニータ・ディ・カフェ(granita di caffè

コーヒーのかき氷


「かき氷」と書いたが、グラニータの作り方は、日本のかき氷とは違う。少し凍らせたものを何度もフォークでかき回す。写真は私が作ったレモンのグラニータ。甘いレモン果汁を冷やしながら、ひたすらかき混ぜて作りました。食感は雪のようです。




granitaの語源は、「granulosa(顆粒状の)」から来ているとのこと。シャリシャリとした食感からつけられたらしい。


(注)2018年9月、ついにミラノにスタバがオープン!日本によくある店舗とは違い、かなりゴージャスな仕様になっているとのこと。参考記事はこちら。ミラノに行ったら覗いてみたいものです。



エスプレッソは甘いのが普通



イタリアでカフェと言えば、エスプレッソのこと。expressoは英語では express、特急のようにすぐ出てくるから、この名前ということらしい。イタリアで「カフェ」と注文すれば、エスプレッソが出てくる







とにかく、イタリアのエスプレッソは濃い!だから、砂糖を入れるのがふつうらしい。また、その量がすごい!



イタリアに限らず、ヨーロッパでコーヒーを注文すると、袋入りの砂糖を「山のように」つけてくれる。「山のように」は、ちょっと大げさだが、受け皿にたいてい3-4袋はつけてくれる。さらに、テーブルにも砂糖つぼから溢れんばかりに砂糖が置いてある。



日本人は健康のためか、お茶類は甘くないことに慣れているためか、コーヒーに砂糖を入れない人が多い。また、店で飲むコーヒーについてくる砂糖も、せいぜい小さめのスティックシュガーが一本。イタリア人には絶対物足りないだろう。



カプチーノって、どんな意味?




cappuccinoカプチーノという名前の由来はいくつか説がある。



・コーヒーの色が、「カプチン会」の修道士の茶色の服の色に似ていたから


・ミルクの泡がふた(cappuccio)のようだから

・コーヒーの真ん中の白いミルクが、頭頂を剃髪した修道士のようだから


いずれにしても、カフェラテ(caffè latte = コーヒー・牛乳)がそのままの表現なのに比べて、奥行きのある言葉だ。





私の失敗談




ロンドンのあるテイクアウトカフェで、カプチーノを注文したときの話だ。「A cappuccino」と言うと、「ミルクは?」と聞かれた。「えっ?」と思ったが、ま、カプチーノだから、ミルクは入るでしょ、と思い、「Yes, please.」と答えた。



すると出てきたのは、なんと紅茶!私の発音が悪かったらしく、「A cup of tea」と聞こえたらしい。仕方ないので、いかにも、自分の注文通りといった風に受け取り、ありがたくいただいた。


その後、カプチーノを注文するときは、発音に気をつけるようにしている。