お酒は食事の一部
日本での酒の飲み方は、「とりあえずビール」に始まり、つまみ的な食事を取りながら、日本酒やチューハイというパターンが多い。そして酒好きの人はその後も延々と飲み続ける。
ヨーロッパの場合、「酒」は食事の一部。食欲を増すために「食前酒」を飲み、食事をおいしくするためにワインを飲み、消化を助けるために「食後酒」を飲む。(もちろん、本当は酒がメイン、と言う人もいると思いますが)
食後の酒は強い!
日本でも食前酒は出されることがあるが、食後酒というのはあまり見かけない。一方、イタリアなどでは、特に男性は夕食後は食後酒、というのが多いようだ。
食後酒をイタリア語でディジェスティーボ(digestivo)という。英語で消化はdigestion(ダイジェスチョン)。digestivoはまさに、「消化を助ける」と言う意味だ。食後酒はいくつか種類があるが、私が飲んだことがあるのは、グラッパ、リモンチェッロの2種類。いずれも強烈に強い。
グラッパ(grappa)
ウィキペディア:https://it.m.wikipedia.org/wiki/Grappa
ブドウの蒸留酒。たいてい無色透明で、アルコール度は30~60%!! 食後酒としては、ショットグラスでくいっと飲む。イタリアでは、お土産用のしゃれたボトルのものもよく見かけた。
写真はピサで買ったお土産用のグラッパとリモンチェッロ。分かりにくいが、ピサの斜塔と同じようにボトルが傾いている。
グラッパという名前は、「grapa」という言葉から来ている。これは、現代のイタリア語にはない単語。英語のgrapeと関係があるらしい。また、グラッパ(Grappa)という地方がグラッパの名産地となっているが、名前とは無関係とのこと。
ドイツやフランス、ポルトガル、スペインでも、グラッパと同じように作られる酒があり、別の名前で呼ばれている。グラッパと呼べるのは、イタリア産だけとのことだ。
リモンチェッロ(limoncello)
イタリア語でレモンはlimone(リモーネ)。レモンで作ったお酒なので、リモンチェッロ。こちらもアルコール度数30%以上の強い酒。甘味があり、イタリア以外でも人気があるらしい。
日本でいうと梅酒の感覚に近い。果実・砂糖・アルコールで作るところが同じ。ただし、リモンチェッロのほうは、果実全部を使うのではなく、皮だけを使う。
作り方:表面の黄色い部分だけをひたすら剥き取り、アルコール度90%以上の酒に着けて色と風味を出す。その後、シロップと合わせてできあがり。材料さえ手に入れば、だれでも簡単に作れる。
写真は私が作ったときのプロセスを記録したもの。市販されているリモンチェッロはクリアーな色だが、出来立てのものは白濁している。
リモンチェッロも、食後酒としてストレートで飲むことが多い。「ストレートはちょっと」という人には、こんな飲み方がある。
- 夏は炭酸と氷でさわやかに
- 冬は紅茶に入れて、レモンティー風に(体が温まります)
- エスプレッソに入れる(意外なおいしさがあります)
おまけ:アマレット(amaretto)
グラッパとリモンチェッロのほかに、食後酒では、アマレットというお酒も有名だ。amarettoは、amaro(アマーロ)という形容詞の変化形。アマーロというのだから、「甘い」のかと思いきや、これは「苦い」という意味。amarettoで「ちょっと苦い」と言う意味だ。
ところで、お酒のアマレットの味は、確かに苦みはあるようだが、実は甘さもある。そのうえ、イタリアにはamarettoという名前のお菓子もある。だから、amaroと言う単語にはなぜか、甘いイメージを持ってしまう・・・
せっかくなので、味の単語をおさらいしておきます。
日本語
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イタリア語
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読み方
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説 明
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甘い
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dolce
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ドルチェ
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スイーツは「ドルチェ」ですね
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塩辛い
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salato
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サラート
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塩の「sale」から
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酸っぱい
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acido
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アーチド
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他にasproやagro
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辛い
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piccante
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ピッカンテ
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piccare(突き刺す)という動詞から
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苦い
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amaro
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アマーロ
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甘くない
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お菓子のアマレット(アマレッティとも言う)はこんな感じ。
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