2018年4月23日月曜日

ことばと文化9「日本語は難しい?」





外国語としての日本語



日本人は英語が苦手、とよく言われる。教育の問題とか、そもそも文法や発音が違いすぎるから、という意見もある。では、英語を母国語とする人にとって、日本語を身につけることは、同じように難しいのだろうか。





アメリカの政府機関がまとめたもので、英語を母国語とする人にとっての外国語の習得の難易度を示したデータがある。ウェブサイトはこちら


この資料によると、同じヨーロッパ言語のフランス語やオランダ語などは、2223週(※)で一定レベルの習得ができるとなっている。一方、日本語はアラビア語や韓国語とともに、必要な期間は88週となっており、もっとも難しい言語グループにリストされている。


やはり、文法や発音の仕組みがこれだけ違うと、お互いに難しいということだ。


※この期間は、一定の適性のある人が、ある程度集中的に学習した場合について想定しているもの。誰でもこの期間で話せるようになる、ということではない。あくまでも、比較としてご参照ください。



日本語の難しさとは?



ウェブサイトやソーシャルメディアを見ると、意外に「日本語は簡単」という意見も見受けられる。これは、話し言葉に限ってのことのようだ。特に、「発音は簡単」という人が多い。


一方、文字については、苦労する人が多いらしい。日本語は漢字、ひらがな、カタカナに加え、アルファベットまで混在する。さらに漢字は2,0003,000文字を覚えなければ、新聞や書物をすらすらと読むことは難しい。ゼロから覚える人には、かなり敷居が高いだろう。


そして、日本語で一番難しいのは「てにをは」ではないだろうか。日本語が母国語でない人は、日本語が流暢に話せるようになっても、助詞の使い方を完璧にすることは難しいようだ。



がんばってもこうなっちゃう


そこで、この画像をご覧いただきたい。これはしばらく前にポストに入っていたチラシのコピー。普通はそのままゴミ箱行きなのだが、たまたま内容が目に入り、「んん?」という感じを覚えた




まず気づいたのは、「雨でも必ず回収行きます」という文。日本人であれば、明らかに書かない文章だ。「雨でも必ず回収行きます」でも不自然。「雨天でも回収します」「雨天実行」などが普通ではないだろうか。


ちょっと変だな、と思ってよく見てみると、あるわあるわ。不自然なところが随所に見受けられた。全文のコピーはこちら。変なところを探してみていただきたい。




気になるところはいくつぐらいあっただろうか。


まず全体的に無意味な太字がちりばめられている。また、「い」の文字がちょっとだけ下に下がっている。まるで一昔前の脅迫文のようだ。


また、日本語では使わない書体の漢字がところどころにある。最初の行の回収の収が、「收」。これは、中国語の「収」にあたる漢字。金属類の類や金庫の庫も変だ。どうも中国語を母国語とする人が書いたようだ。


うっかり見過ごしてしまいそうなのが、「電磁レンジ」。やはりこれは、「電子レンジ」だろう。「ここから切ります」も明らかに変。普通は「切り取り線」だ。また、「エアコン(取り出す)」というのは、何を取り出すのだろうか。


このチラシは相当日本語がうまい人が、がんばって作ったようだ。しかし日本人が見れば、日本語を母国語としていない人が作ったことは、すぐに気づく。やはり、外国人にとって、自然な日本語を書くことは非常に難しいようだ。


気づいたところを赤線でマークしたのがこれ。





おまけ



日本人は単一民族・単一言語での歴史が長く、日本語の表現について、感覚が閉鎖的なのではないだろうか。少しでも変なところがあると、どうしても気になってしまう。


一方、われわれ日本人が英語を書く場合、このチラシより、はるかに劣るレベルの表現でも何とかなっている。国際語ということもあるが、英語でのコミュニケーションにおける懐の深さに感謝すべきだろう。




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