2018年5月31日木曜日

イタリア語なるほどメモ24「パスタの種類と名前の由来」




パスタの種類



パスタの種類、いくつ言えますか?




まず思い浮かぶのは、スパゲッティ、マカロニ。
ちょっとがんばって、ペンネ、フェットチーネ、ラザニア。

パスタ通なら、リングイーネ、ファルファッレ、カペッリーニ、フジッリ、タリアッテッレ…


これで10種類。


ウェブでは、パスタの種類は500種類以上、と書いてあるものが多い。「以上」だから、1,000でも2,000でもいいわけだが、とにかく多い。イタリアのウィキペディアには、主なものとして、200種類以上が掲載されている。分類の基準は次のとおり。


1.形状

2.具材が入っているかどうか

3.卵を使っているかどうか

4.小麦粉の種類


これにソースの種類をかけ合わせれば、途方もないバリエーションになるわけだ!



形状別のパスタの種類



パスタは大きく分けて、ロングパスタとショートパスタの2種類。一方、ラザニアのような平たいものや、ラビオリのような具の入ったパスタもある。ウィキペディアでは8種類のカテゴリーが紹介されている。ショートパスタの種類が一番多いようだ。




また、ロングパスタは、切り口の形により、1.丸、2.正方形、3.長方形またはレンズ型の3種類に分けられている。


「塊のパスタ」というのは、フェットチーネのように、一定の量をまとまった形にしたもの。

こんな感じ。   


それぞれのパスタの表現と代表的なものを一覧にまとめてみた。


イタリア語
日本語
パスタの例
日本語
1
 Paste lunghe
ロング・パスタ
25
Spaghetti
スパゲッティ
2
 Pasta in nidi o matasse
塊のパスタ
18
Fettuccine
フェットチーネ
3
 Pasta tubolare
穴あきパスタ
38
Penne
ペンネ
4
 Paste corte
ショート・パスタ
54
Fusilli
フジッリ
5
 Pasta minuta
小粒パスタ
32
Risi
リージ
6
 Pasta ripiena
具入りパスタ
20
Ravioli
ラビオリ
7
 Altri/Forma irregolare
その他の形のパスタ
7
Gnocchi
ニョッキ
8
 Altre paste
例外
18
Dumplings
だんご



名前の由来は?



パスタはイタリア語で、「pasta」。総称的に言う場合は単数で表される。一方、それぞれの名前は、基本的に複数形。スパゲッティが一本だけで出されることはなく、複数だからだ。スパゲッティ1本なら、スパゲット(spaghetto)となる。


パスタの名前は、それぞれの形からつけられたものが多い。いくつか代表的なものを紹介する。


スパゲッティ(spaghetti


「ひも、糸」という意味の spago (スパーゴ)から。

語尾が -etti となっているのは、「指小辞」と言って、元の言葉の小さいものを示す場合などに使われる。英語の例では、cigar(シガー=葉巻)⇒ cigarette(シガレット=タバコ)といった具合。


タリアテッレ(tagliatelle


「切る」という意味の、tagliare(タリアーレ)から。実は、タリアテッレは、フェットチーネと同じもの。北イタリアでは、タリアテッレと呼ばれ、ローマや南イタリアでは、フェットチーネと呼ばれるとのこと。


イタリア語のウィキペディアでは、タリアテッレはあるが、フェットチーネの項目は見つからなかった。


ペンネ(penne


その名の通り、ペン(ペン先)のような形。市販されているのは、筋が入っているタイプが多い。このようなものは、penne rigate(ペンネ・リガーテ=筋の入ったペンネ)と呼ばれる。


ファルファッレ(falfalle


これも見たまま、「蝶々」と言う意味。ちなみに、蝶々と言う単語は、イタリア語、スペイン語、フランス語で全く違う。スペイン語は mariposa(マリポーサ)、フランス語は papillon(パピヨン)だ。


リージ、リゾーニ(risi, risoni


 riso はイタリア語で「お米」という意味。リージ、リゾーニは、お米の形をしたパスタ。イタリア料理のリゾット(risotto)もrisoの派生語だ。(写真はリゾットです)


カペッリーニ(capellini

髪の毛のように細いパスタ。髪の毛(capello)から来ている。「カッペリーニ」と書かれることも多いが、スペルに忠実にカタカナにするなら、「カペッリーニ」。髪の毛は p がひとつでcapellop が重なると cappello で、「帽子」の意味になる。



おまけ



ペンネと言えば、ペンネアラビアータがよく知られている。ピリ辛トマトソースのパスタだ。イタリア語で書くと、penne arrabiata。後ろの  arrabiata は、arrabiarearrabiarsi という動詞から。「怒る」という意味なので、ピリピリする感じが、ぴったりくる。


しかし、「penne」は複数形なのに、「arrabiata」が単数なのが不思議だった。今回調べてみたところ、正式には、「penne all’arrabiata」、つまり「アラビアータ風ペンネ」で、調理法を表していたのだった。なるほど~。








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