2018年3月25日日曜日

ことばと文化5「斜め読み」




英語は斜め読みできるのか?







かねてより、英語は日本語と比べて、斜め読みが難しいと考えていた。もちろん、母国語でないから、速読できないのは当然だが、その点とは関係なく、言語として、根本的に拾い読みに向かないと決めつけていたのだ。

その大きな理由は、英語が表音文字であること。日本語であれば、表意文字である漢字だけ拾い読みすれば、だいたいの意味をつかむことができる。また、漢字は基本的に画数が多い、すなわち文章の中の黒っぽいところに焦点を合わせればいいので、目を走らせるのも簡単だ。

次の二つの文を比べてみてほしい。


日本語の例(このブログの過去記事から取ってみました)

ある本に書いてあったのだが、聖徳太子の時代には、韓国語と日本語は相当似ていて、通訳を介さなくてもお互いに理解できたという。真実のほどは分からないが、確かに日本語と韓国語は今もよく似ている。言葉の進化が似ていたなら、イタリア語とスペイン語の違いくらいにおさまっていたのかもしれない。残念だ。

英語の例(上の文を簡単に英訳しました)

I read in a book that at the time of Shotoku Taishi Korean and Japanese could communicate without an interpreter as these languages were so similar. I am not sure whether it is true or not, however, Korean and Japanese are quite similar even today. If the two languages had evolved in a similar way the difference could have been like that between Spanish and Italian. It’s a pity.



両方とも自分の文だ。しかし英語のほうは、意味を表すものというより、記号の羅列に見えてしまう。これは画像として、メリハリがないことも原因ではないかと思われる。

スキミングとは?


ところが、英語にも、「斜め読み」に当たる表現があるのだ!skimming または skim reading。スキミングというと、クレジットカードなどの不正読み取りにも使われている。スープの上澄みを取る、アクを取るといった意味もある。

要は、表面をさっとさらうイメージの言葉だ。ということは、英語も「斜め読み」できる言語であることになる。





ウェブを調べてみたところ、英語の斜め読みの方法がいくつか見つかった。

1.  キーワードを拾って読む

2.  段落の最初と最後だけ読む

3.  段落の最初の文だけ読む


1.の方法は日本語と同じ。英語力が相当高くないと無理だ。2.は文脈が追えることが条件。そして3.の方法は実際にやってみると、なかなか効果的であることが分かった。インターネットの記事など、ざっと内容だけ知りたいときにはこの方法が役に立ちそうだ。


おまけ


英語の斜め読みに関する記事を検索している中で、「逆に日本語は斜め読みがしにくい」という意見も見受けられた。文末まで読まないと、肯定なのか否定なのかわからないからだという。

 我々が日本語を斜め読みするときは、いちいち文末まで気にしない。拾った単語の脈絡で大意をつかむことができるからだ。やはり母国語であることが斜め読みの一番のポイントなのかもしれない。

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