水を表すふたつの語源
私の知る限りでは、イタリア語で水に関連する言葉には2種類の語源がある。ひとつは、ラテン語のaqua。もうひとつは古典ギリシャ語で水を表すhydr (hydro)。
イタリア語で水はacqua(アックア)。英語にも、Aquarius(アクエリアス=みずがめ座)や、aquarium(アクエリアム=水族館)など、アクアを語源とする言葉がいくつかある。この二つはイタリア語では同じスペル。みずかめ座がAquario、水族館がaquario(アクアリオ)で、Aが大文字になるかどうかの違いだけ。
Hydroを語源とする単語の代表的なものは、idrogeno。イタリア語のスペルでは、発音されないhが消えることが多い。hydrogenoとhを加えてみると英語でなじみのある単語が思い浮かぶ。hydrogen(ハイドロジェン=水素)だ。
他にhydroを語源とする単語としては、idroelettrico(イドロエレットリコ=水力発電)や、disidratare(ディシドラターレ=水分を抜く)などがある。
実はこの単語、先日のレッスンで習ったばかりです (^^) 料理に使う乾燥玉ねぎを cipolla disidratata (チポッラ・ディシドラタータ)と言うそう。乾燥キノコはこの単語を使わず、 funghi secchi (フンギ・セッキ)でした。
アジサイは?
英語でアジサイはhydrangea(ハイドレインジャ)。学名はHydrangea macrophyllaで、やはりギリシャ語のhydroが語源になっている。一方、イタリア語でアジサイは、これとは全然違う、ortensia(オルテンシア)という言葉だ。
ortensiaというのは、女性の名前が語源となっているらしい。実は英語にもhydrangeaのほか、hortensiaという単語がある。もしかすると厳密には違うのかもしれないが、私の調べた限りでは、両方とも全般的にアジサイを指す言葉のようだ。
おまけ
ラテン系の言葉で、hが発音されないことはよく知られている。これは、どんどん楽な発音にしていく人間の習性によるようだ。流れとしては、Fの音がH、Hの音が無声化されるらしい。そういえば、日本にもこんな昔のなぞなぞがある。
母には2度会いたれど、父には一度も会わず
答えは「唇」。いつ頃までかはわからないが、昔の日本語では、母は「ふぁふぁ」と、Fの発音だったのだ。ん~~どこかで聞いたような・・・
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