2018年6月7日木曜日

イタリア語なるほどメモ25「トマトの話」




イタリア語はトマトじゃない




「イタリアントマト」という全国展開しているレストランがある。店の名前だから、別に問題はないが、イタリア語では、トマトは「tomato」ではなく、「pomodoro(ポモドーロ)」だ。




トマトは南アメリカ原産。アンデス生まれのメキシコ育ち。大航海時代を経て、ヨーロッパに伝わった。アステカ人の「トマトゥル」という呼び名が、「トマト」の語源。


一方、イタリアでは、pomodoro(ポモドーロ)という呼び名が定着した。野菜(果物?)としての価値が高かったため、pomo d'oro(黄金のリンゴ)と呼ばれるようになったのかもしれないとのこと。 


このあたりは、カゴメさんの「トマト大学」を参考にさせていただきました。日本で初めてトマトを商用栽培したのも、カゴメさんとのこと。さすが!!



トマトの名前と意味



トマトをヨーロッパに紹介したのは、大航海時代の立役者であるスペイン。スペイン語でトマトはtomate(トマーテ)と呼ばれるようになった。一方イタリアでは、pomodoroという独自の名前がつけられた。また、フランスでは、pomme d’amour「愛のリンゴ」と呼ばれた。(現在は tomate というのが普通のようです)


トマトの語源は、アステカの náhuatl 語である tomatl。「太っている、大きくなる」と言う意味の、tomal / tomohuac という言葉に、「水」を表す atl が合わさってできた単語。「たっぷりと水を含んでいる」といったような意味。


実は、tomate という単語は、jitomate(ヒトマーテ)と言う言葉の省略形。jitomate の語源はやはり náhuatl 語の xictomatl で、語頭の xic xictli(へそ)と言う意味。つまり、本来は、「たっぷりと水を含んだへそのある実」という意味だったわけだ。



アステカの神様 ケツァルコアトル


現在、世界の多くの国でトマトは、tomate に類した言葉で呼ばれている。一方、イタリア語の pomodoro は、意外にも ロシア語に取り入れられ、помидор(pomidor「パミドール」)という言葉になっている。


以上、http://etimologias.dechile.net/?tomate を参考にさせていただきました。

  

トマトをたくさん食べるのはどこの国?



イタリア語とは関係ないのですが、興味があったので生産と消費について調べてみました。


生産量はFAO2016年のデータ。中国が圧倒的1位。イタリアが6位に入って、トマト王国の面目躍如というところ。




消費量は2013年の国民一人当たりの消費量のデータ。これが、かなり意外な結果だった。1位がトルコ、2位がエジプト。イタリアはなんと、28位。グルメの国イタリアは、食のバリエーションが多いので、トマトソースばかりじゃない、ということかもしれない。


そして、日本は173か国中、堂々の(?)100位! 国際的に見ると、意外にトマトを食べていないことが分かった。





おまけ



イタリア語で、pomodoroは「黄金のリンゴ」ということだが、イタリア語でのリンゴの呼び名はふつう mela(メラ)。pomo というのは昔の表現で、丸い果実を幅広く指していたものらしい。他にも pomo を使ったフルーツ・実の表現がある。


pomo cotogno: melacotogna (花梨)
pomo granato o pomo punico: melagrana(ザクロ)
pomo di acagiù: il frutto dell'anacardo(カシューナッツ)
pomo persico o pomo di Persia: pesca (frutto) (桃)






もう一つおまけ



まったくイタリア語と関係ないのですが、中国はトマトをたくさん生産している割に、消費量は30位とふつう。確かに中華料理でトマトをつかうものは、あまり見かけないかも。









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