2018年6月22日金曜日

イタリア語なるほどメモ27「<こわい>もいろいろ」





「怖い」には種類がある


実は、私はある小さい生き物が苦手だ。実物は当然ながら、写真やイラストでさえも恐怖を覚える。


先日、イタリア語レッスンでその話をした。その生き物が苦手になったきっかけは、子供のころの体験が原因らしいと説明した。すると、「それは、paura(怖い)ではなく、fobia(恐怖症)だ」と言われた。




そう言われてみて、日本語でも、「こわい」という感覚をあまり気にして使い分けていないことに気づいた。まず、paura fobia について、調べてみた。



イタリア語の「怖い」、paura fobia



イタリア語で「~が怖い」と言うとき、よく使う表現は、Ho paura(オ・パウーラ=直訳すると、「恐怖を持っている」)。「私は犬が怖い」だったら、Ho paura dei cani. となる。


一方、単なる怖さを超えて、過度の恐怖を覚える場合は、「fobia(フォビア=恐怖症)」という単語を使って、Ho la fobia di ~ のようになる。





この fobia という単語は、英語にもある。phobia のスペルで「恐怖症」の意味。英語やイタリア語では、単語のうしろに fobia/phobia をつけて、「ナントカ・フォビア」にすると、「~~恐怖症」ということばになる。


イタリア語のサイトで調べたところ、fobiaのつく単語は、何と71個もあった!
聞いたことがあるものをまとめたのがこれ ↓


イタリア語
読み方
意味
acrofobia
アクロフォビア
高所恐怖症
claustrofobia
クラウストフォビア
閉所恐怖症
agorafobia
アゴラフォビア
広場恐怖症
idrofobia
イドロフォビア
恐水症、狂犬病


「犬恐怖症」という言葉もあり、「cinofobia(チノフォビア)」というそうだ。

参考:



そのほかの「怖い」の言い方



さらに、イタリア語で、「怖い」の言葉は、paurafobia だけではなかった。下記は類語サイトから拾ったもの。恐怖にもいろいろな種類があるようで、覚えるには覚えても、使い分けるのは難しそうだ・・・


イタリア語
読み方
意味
ansia
アンシア
不安
fifa
フィーファ
恐怖
panico
パニコ
パニック
preoccupazione
プレオクパツィオーネ
懸念
sgomento
スゴメント
恐怖
spavento
スパヴェント
恐怖
terrore
テローレ
恐怖
tremarella
トレマレッラ
震え
trepidazione
トレピダツィオーネ
恐怖

参考:

 

日本語の「恐い」もいろいろ



では、日本語はどうだろうか。


「恐い」と「怖い」や、「怖い」と「恐ろしい」など、意味の違いを意識したことはなかった。


調べてみたところ、ざっくりとこういう感じ。

  1. 「怖い」は常用漢字、「恐い」は常用漢字ではない。新聞などでは、「怖い」が使われる。
  2. もともとの漢字の意味として、「怖い」は主観的、「恐い」「恐ろしい」は客観的

ただ、現在では、辞書でもほぼ同じ説明を載せているようだ。使い分けできないのもいたしかたないのかもしれない。


なお、「おそれる」に関連した漢字は、「畏れる」「懼れる」「悸れる」など、こちらもたくさんある。漢字辞典オンラインのページには、何と、29種類も!見たこともない漢字ばかり・・・




 おまけ


イタリア語で fifa に「恐怖」の意味があるとは、知らなかった。イタリア人は、「FIFA World Cup」と聞いて、変な感じにならないのだろうか。あ、今回は出ていなかったですね (;)




もうひとつおまけ



私が怖い「小さな生き物」について、別に知られて困るわけではない。しかし、あまりに怖いので、口にするのも、文字にするのもキツイのだ。実際、家族も私の前では、「アレ」とか、「嫌いなヤツ」などと言って、そのものズバリの言葉は使わない。


とは言え、イタリア語で会話したときは、その単語を使うことができた。やはり、母国語ではない言葉というものは、受け止める感覚が鈍いということだ。


ちなみに、その単語は verme です (- -;;)


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