2018年6月19日火曜日

ことばと文化17「英語の数字に強くなるには?」




  

英語の意外な盲点、「数字」


「さん、たす、なな」と、聞けば、ほとんどの日本人は、間髪入れず、「じゅう」と答えられるだろう。一方、「three plus seven」と聞いて、即座に「ten」と言える人は、どれだけいるだろうか。 


 数字というものは、最初に覚えた言語が主体になるらしい。バイリンガルの人でも、数字が得意な言語はどちらか一方になる、という話を聞いたことがある。実際、プロの通訳の人も、数字については特に慎重に準備するようだ。


英語がかなり得意な人でも、数字になると、直感的に理解するのは難しいわけだ。ましてや、平均的な日本人の英語力において、数字はかなりやっかいだ。


その理由はふたつ。まず、最初の例の通り、数を日本語で考えることが、体に染みついてしまっている点。英語で数字を言われても、数として理解できない。ふつうは、頭の中でいったん日本語にしてから理解する、というプロセスを取っているだろう。


そしてふたつ目は、数字の桁の問題。千や百万は英語と一致しているのに、万や億は日本語とずれている。いったん、頭の中で、「10万円」と考えてしまうと、これを「hundred thousand」と瞬時に切り替えるのは難しい。





英語で数字に強くなるには


とは言え、文章でも会話でも数字は避けて通れない。では、どうやったら、数字も無理なく使いこなせるようになるだろうか?


ウェブサイトやSNSを見たところ、よいアドバイスがいくつかあった。私の経験も合わせ、ポイントとしてふたつ紹介したい。


ひとつは「音読」。これは、数字に限らず、全体的に英語力をアップするのに大いに役立つ。英語での数字に慣れたいのであれば、数字が多く乗っている英文を声を出して読むことが効果的だ。


桁の多いアラビア数字を音読しようとすると、最初はちょっとつっかえてしまうかもしれない。しかし、英語は3桁の区切りと桁の単語が一致しているので、継続しているうちに慣れてくるはずだ。





もうひとつは、数字のフレーズを語彙として覚えておくこと。自分が英語での会話で使いそうな数字を、英語のまま丸覚えしておく。例えば、自分の電話番号や、会社の従業員数、日本の人口やGDPなど。


いきなり聞かれて、「えーっと」と日本語から英語に訳す必要がないので、会話もスムーズなる。


なお、数字を覚えていなくて、すぐに英語が出てこない場合、裏技がある。まず「日本語ではXXXX」と日本語で数字を言いながら、時間を稼ぐこと。その間に英語に置き換えればいい。


数字を間違えないようにするには


年号・日付や時刻については、日ごろから慣れていたほうがいい。電話番号など、絶対間違えていけないものは、必ず復唱して確認する。




また、14fourteen)と40forty)、15fifiteen)と50fifity)などは聞き間違えしやすい。この場合は、14なら、「onefour」、50なら、「fivezero」というように、確認するといい。


日本語の数字も難しい


日本語を勉強している外国人からすると、日本語の数字こそやっかいものらしい。やはり桁がずれていることがひとつ。そして、物の数え方を覚えるのが何よりたいへんということだ。


もちろん、日本人でもすべてのものの数え方を正確に覚えているわけではない。とは言え、日常的に使うものであれば、「ひとり、ふたり、さんにん」や、「いっぴき、にひき、さんびき、」と、苦もなく数えられる。


一方、外国人にとっては、なぜ、「ぴき」が「ひき」や「びき」に?と理解に苦しむらしい。日本人でよかったですね。




おまけ


数字に関連して、「おつり」についても、アメリカやイギリスと日本の場合、やり方が違うようだ。よく言われるのが、日本は引き算式、英米は足し算式という点だ。


日本:
10,000- 4,500= 5,500
→ 先に5,000円をお札でくれて、次に硬貨で500


英米:(もちろん、円ではなく、ドルやポンドですが、これはあくまでも例)
10,000- 4,500= 5,500
→ 先に500円をくれて5,000円とし、次に5,000円をくれて10,000円にする




もうひとつおまけ


日本はおつりの引き算式に慣れているので、支払いの時、端数をコインで出すことも多い。しかし、これは場合によって、やらないほうがいいこともあるようだ。


まず、端数を出すのには多少なりとも時間がかかるので、混んでいるときなどは、もたついてまで出さなほうがいい。


また、最近はコンビニなどで、外国からの留学生らしき人が働いていることがある。実際私が経験したことだが、端数を出して払おうとしたら、「ワタシ、ワカリマセン」と言われ、硬貨だけ返されてしまった。


数字の文化の違いを克服するのはやはり難しいようですね。







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