2018年5月10日木曜日

イタリア語なるほどメモ21 「星占い」





イタリアでも人気の星占い 




日本人は概して占い好き。血液型、干支、星座など、ちょっと親しくなってくると必ず聞かれるものだ。そして、「やっぱりA型だから、きちょうめんね」などと言われる。(私はA型ではありませんが)


ヨーロッパでは血液型占いはほとんど知られていないらしい。一方、星占いは日本より歴史も古く、人気があるようだ。イタリアなどでも、親しくなった人に星座を聞かれることがあるらしい。





イタリア語で星座は「segno (セーニョ=印)」。あの音楽用語のダルセーニョのセーニョだ。正式には、segno zodiacale (黄道帯の印)となる。よく、「黄道12星座」というが、ここから来ているわけだ。



また、「星占い」は、「oroscopo(オロスコポ)」。ラテン語では、hōroscopus で、ギリシャ語の ροσκόπος hōroskópos)が元。これは、「上昇してくる角度と時間の関係」という意味だそう。んん~? 分かるような、分からないような…




星座の名前




星座は「火、地、風、水」の4種類に分けられる。それぞれについて色分けして表にまとめてみた。同じ色の星座は相性が良いとのこと。

名前
シンボル
イタリア語
英語
牡羊座
Ariete
Aries
牡牛座
Toro
Taurus
双子座
Gemelli
Gemini
蟹座
Cancro
Cancer
獅子座
Leone
Leo
乙女座
Vergine
Virgo
天秤座
Bilancia( Libra )
Libra
蠍座
Scorpione
Scorpius Scorpio)
射手座
Sagitario
Sagittarius
山羊座
Capricorno
Capricornus
水瓶座
Acquario
Aquarius
魚座
Pesci
Pisces



イタリア語と英語のスペルはほぼそっくり。ラテン語由来の名前であることがよくわかる。

名前の中には、いくつか興味深いものがある。


Cancro(蟹座)


読み方は、「カンクロ」。何だか歌舞伎役者の名前みたいだ。語源はラテン語で、元の言葉は、cancer granchiocancer というスペルは、英語と全く同じだ。

granchio(グランキオ)というのは、現在のイタリア語でそのまま「蟹」と言う意味。(大工道具にもグランキオと呼ばれるものがあり、また、大失敗と言う意味もあるそう)。

そして、英語でもイタリア語でも、蟹座を表す言葉は、病気の「がん」という意味がある。言葉としては、蟹座の意味が先。細胞から触手を伸ばすように増えるがん細胞が、蟹に似ていたから、つけられたという説がある。



Bilancia / Libra(天秤座)


天秤座を表すラテン語はBilanciaで、古代の呼び方が Libra。英語は古いほうの名前を取っている。

なお、bilancia は「天秤、はかり」という意味のほか、「バランス」「(経済的)収支」という意味もある。これは英語の balance と同じ。


Pesci(魚座)

12星座のなかで、二つだけ複数形のものがある。ひとつがGemelli。双子座だから当然だ。もうひとつが、このPesci。これは、美の神アフロディテーとその子供エロースが、怪物に襲われたとき、魚に姿を変えて、ひもで体を結びつけたという逸話にもとづくもの。


pesci の単数形は pesce(ペッシェ)。パスタのメニューで、「ペスカトーレ(pescatore)」というのがあるが、これは、pesce からの派生語で、「漁師」という意味。

※星座に関する逸話や、性格の特徴、空での星座の見つけ方などが、こちらのサイトにまとまっています。



おまけ



魚座に登場する美の女神は、アフロディテ。美の女神、というとビーナスのほうが有名だが、アフロディテはギリシャ神話、ビーナスはローマ神話なので、本当は別物。

ところが、ギリシャのミロス島で見つかった美の女神は、「ミロのビーナス」だし、ボッチチェッリの「ビーナスの誕生」も、ギリシャ神話にもとづいている。全世界的に混同されているようだ。

ボッチチェッリ「ビーナスの誕生」 ウフィツィ美術館所蔵



もうひとつおまけ



ビーナスは12星座にはいないが、金星として明けの空、宵の空に君臨している。また、水瓶座の主役のガニメデは、木星の惑星のひとつでもある。星座になったり、木星を回ったり、忙しそうだ。(イタリア語と関係なかったですね  m(_ _)m 






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