イタリアでも人気の星占い
日本人は概して占い好き。血液型、干支、星座など、ちょっと親しくなってくると必ず聞かれるものだ。そして、「やっぱりA型だから、きちょうめんね」などと言われる。(私はA型ではありませんが)
ヨーロッパでは血液型占いはほとんど知られていないらしい。一方、星占いは日本より歴史も古く、人気があるようだ。イタリアなどでも、親しくなった人に星座を聞かれることがあるらしい。
イタリア語で星座は「segno (セーニョ=印)」。あの音楽用語のダルセーニョのセーニョだ。正式には、segno zodiacale (黄道帯の印)となる。よく、「黄道12星座」というが、ここから来ているわけだ。
また、「星占い」は、「oroscopo(オロスコポ)」。ラテン語では、hōroscopus で、ギリシャ語の ὡροσκόπος
(hōroskópos)が元。これは、「上昇してくる角度と時間の関係」という意味だそう。んん~?
分かるような、分からないような…
星座の名前
星座は「火、地、風、水」の4種類に分けられる。それぞれについて色分けして表にまとめてみた。同じ色の星座は相性が良いとのこと。
名前
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シンボル
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イタリア語
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英語
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牡羊座
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♈
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Ariete
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Aries
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牡牛座
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♉
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Toro
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Taurus
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双子座
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♊
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Gemelli
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Gemini
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蟹座
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♋
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Cancro
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Cancer
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獅子座
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♌
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Leone
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Leo
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乙女座
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♍
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Vergine
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Virgo
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天秤座
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♎
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Bilancia(
Libra )
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Libra
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蠍座
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♏
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Scorpione
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Scorpius (Scorpio)
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射手座
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♐
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Sagitario
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Sagittarius
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山羊座
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♑
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Capricorno
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Capricornus
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水瓶座
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♒
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Acquario
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Aquarius
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魚座
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♓
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Pesci
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Pisces
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イタリア語と英語のスペルはほぼそっくり。ラテン語由来の名前であることがよくわかる。
名前の中には、いくつか興味深いものがある。
Cancro(蟹座)
読み方は、「カンクロ」。何だか歌舞伎役者の名前みたいだ。語源はラテン語で、元の言葉は、cancer と granchio。cancer
というスペルは、英語と全く同じだ。
granchio(グランキオ)というのは、現在のイタリア語でそのまま「蟹」と言う意味。(大工道具にもグランキオと呼ばれるものがあり、また、大失敗と言う意味もあるそう)。
そして、英語でもイタリア語でも、蟹座を表す言葉は、病気の「がん」という意味がある。言葉としては、蟹座の意味が先。細胞から触手を伸ばすように増えるがん細胞が、蟹に似ていたから、つけられたという説がある。
Bilancia
/ Libra(天秤座)
天秤座を表すラテン語はBilanciaで、古代の呼び方が
Libra。英語は古いほうの名前を取っている。
なお、bilancia は「天秤、はかり」という意味のほか、「バランス」「(経済的)収支」という意味もある。これは英語の balance と同じ。
Pesci(魚座)
12星座のなかで、二つだけ複数形のものがある。ひとつがGemelli。双子座だから当然だ。もうひとつが、このPesci。これは、美の神アフロディテーとその子供エロースが、怪物に襲われたとき、魚に姿を変えて、ひもで体を結びつけたという逸話にもとづくもの。
pesci の単数形は pesce(ペッシェ)。パスタのメニューで、「ペスカトーレ(pescatore)」というのがあるが、これは、pesce からの派生語で、「漁師」という意味。
おまけ
魚座に登場する美の女神は、アフロディテ。美の女神、というとビーナスのほうが有名だが、アフロディテはギリシャ神話、ビーナスはローマ神話なので、本当は別物。
ところが、ギリシャのミロス島で見つかった美の女神は、「ミロのビーナス」だし、ボッチチェッリの「ビーナスの誕生」も、ギリシャ神話にもとづいている。全世界的に混同されているようだ。
ボッチチェッリ「ビーナスの誕生」 ウフィツィ美術館所蔵
もうひとつおまけ
ビーナスは12星座にはいないが、金星として明けの空、宵の空に君臨している。また、水瓶座の主役のガニメデは、木星の惑星のひとつでもある。星座になったり、木星を回ったり、忙しそうだ。(イタリア語と関係なかったですね m(_ _)m )
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