2018年7月13日金曜日

イタリア語なるほどメモ30「曜日の由来」





曜日は当たり前に使っているけれど…



一週間は7日。そして、それぞれの日に名前がある。ふだん、当たり前のように使っているが、いつごろから始まり、曜日の名前はどのようにつけられたのだろうか。



日本語の場合、曜日の名前が天体の名前に由来していることは、何となく想像がつく。陰陽五行も関係ありそうだ。しかし、なぜこの順番なのか。見た目が大きい順でもないし、近い順でもない。


調べてみたところ、曜日の発祥は今から2000年以上も前の古代バビロニア、という説が有力。7日をそれぞれの守護星と結びつけたことから始まったとのこと。キリスト教の発展にともなって、全世界に広まっていった。



  
日本の場合は、平安時代に、唐への留学僧が持ち帰り、紹介されていた。あの、「この世を我が世と思った」という藤原道長の「関白御堂日記」にも、曜日の記述がある。が、一般に広まることはなく、正式に使われ始めたのは明治以降のことだそうだ。


曜日がなぜ、今の順番になっているかというと、かなりややこしい。要は、時間は守護星に支配されており、一日の最初に現れる守護星が曜日の名前になっている、というもの。いろいろ参考のサイトはあるが、分かりやすそうなのはこちら。ご興味のある方はどうぞ。

国立天文台「曜日の名前」
時計協会「曜日の起源は?」
曜日の意味と一週間が七日の理由



曜日の名前は天体の名前から


曜日の呼び方は、各国でさまざま。日本語では月火水木金土日で、天体の名前と完全一致。英語では、月曜、土曜、日曜が MondaySaturdaySunday と、天体にちなんだ名前で、その他の曜日はやや異なる。一方、イタリア語では、土曜と日曜以外は日本語につけられているのと同じ天体の名前が入っている。



  
日本語で月 → 月曜日 となるのと同様、イタリア語でも、Luna(月)→ lunedi (月曜日)となる。「di」というのが、「日」を表す言葉。イタリア語で「日」は giorno だが、これはラテン語で「時」を表す「diŭrnum」から来ており、「di」という文字が入っている。


曜日
天体
日本語
イタリア語
日本語
イタリア語
月曜日
lunedi
Luna
火曜日
martedì
火星
Marte
水曜日
mercoledì
水星
Mercurio
木曜日
giovedi
木星
Giove
金曜日
venerdì
金星
Venere
土曜日
sabato
土星
Saturno
日曜日
domenica
太陽
Sole



イタリア語の土曜と日曜の由来は?



イタリア語で天体の名前が入っていないのは土曜と日曜。これはいずれも宗教に関係がある。




土曜は「sabato(サバト)」。これは、ユダヤ教で土曜日が休みだったことに由来。ヘブライ語の「安息日(shabbāt)」から、ギリシャ語の「σάββατον」になり、ラテン語で「sabbătum」となった。


一方、日曜はキリスト教に由来。イエス・キリストが処刑された後に復活したのが日曜なので、日曜を祝日としたのがきっかけ。


もともと古代ローマでも、日曜は「太陽の日」だった。紀元4世紀、コンスタンティヌス1世の治世に、日曜がキリスト教の礼拝日と定められた。日曜は「主の日(ラテン語で dies dominica)」と呼ばれるようになり、ここから domenica(ドメニカ)という言葉が日曜を表すようになった。



おまけ



一週間が何曜日から始まるかは国によって異なる。カレンダーでは、アメリカ式が日曜始まり、ヨーロッパ式は月曜始まりと言われる。しかし、ヨーロッパでもイギリスやポルトガルなどは日曜始まりだ。日本はカレンダーは日曜始まりだが、JIS規格では、週の最初は月曜となっている。また、イスラム圏で土曜から始まるものもある。


日本人としては、月曜が週の最初の日、という感覚がある一方、カレンダーは日曜始まりを見慣れている。ヨーロッパみやげのカレンダーで月曜始まりになっているのは、ちょっと違和感を覚えるものだ。




もうひとつおまけ



曜日と週の話はなかなか奥が深い。キリスト教の歴史や、天体の話、密教の経典や陰陽五行など、調べているうち、何だか底なし沼に入っていく感じがした。いちばん「なるほど~」と思ったのは、藤原道長も曜日を使っていた、というくだり… まだまだ勉強不足です (。>0<。)


参考:
Wikipedia 「曜日」
Wikpiedia sabato
Wikipedia domenica
Wikzionario domenica


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