2018年7月10日火曜日

ことばと文化20「自由を表す freedom とliberty」






出川イングリッシュで「自由の女神」は?


「世界の果てまで行ってQ」の人気コーナーと言えば、「初めてのおつかい」。課題をこなすために使われる「出川イングリッシュ」は、英語どころか、言語の域を超え、コミュニケーションの心髄というものを見せてくれる。


初期の頃のチャレンジで、「自由の女神に行く」というのがあった。最初は、「自由の女神」を通じさせようと、「フリーウーマン」や「ビッグホワイトドール」など、体当たり的な表現を繰り返し、四苦八苦していた。




「自由の女神」は正しくは、「Statue of Liberty(スタチュー・オヴ・リバティー」なので、もちろん通じるはずがない。結局、「ビッグドール、ニューヨーク No.1 スポット」という説明が何とか理解されたのをきっかけに、ミッションクリアとなった。


ちなみに、この時の出川氏の「ニューヨーク No.1 スポット」というのは、なかなかうまい言い方だと思う。直接の表現にこだわらずに、周辺から攻めるコミュニケーション方法というのは、とても参考になる。また、出川イングリッシュはカタカナ英語っぽいが、音としても通じやすい発音になっていると思う。


freedom liberty


日本人は「自由」を表す英語としては、まず、「free」が思い浮かぶ。だから、出川イングリッシュでも「自由の女神」が「free woman」になってしまったわけだ。

一方、free(名詞はfreedom)が表す「自由」と、liberty が表す「自由」は意味合いが違う。




英語のサイトでは、このような説明がある。

1“liberty” は、自分の意志に従って行動・表現できること。“freedom” は、自分で自分の行動を決められること。

2“liberty” は、「自由である状態」を表す。“Freedom” は具体的な「自由」を表す。

3. “Liberty” は、ラテン語の “libertatem”から。“freedom” は、古い英語の “freodom” から。

4. いずれの言葉も、モラルや倫理の範囲内での「自由」を表す。

参考:


定義を聞いても、分かったような、分からないような感じ。英語のサイトに説明が載っているくらいだから、ネイティブでも難しいということかもしれない。しっかり使い分けるには、具体的なフレーズを覚えたり、例文などで感覚を養う必要があるようだ。


には、freedom liberty の違いについて日本語での詳しい説明があります。ご興味のある方はどうぞ。


「自由・平等・博愛」


liberty」という言葉が使われる表現として、フランス国旗のトリコロールが表す「自由・平等・博愛」を思い出す。英語では、「liberty, equality, fraternity」、フランス語では、「liberté, égalité, fraternité」となる。




フランス語が「liberté」だから、英語も「libetty」となったのだろうが、「何かをする自由」ではなく、「自由な状態」を表していると考えると、freedom でないことが納得できる。


liberty の形容詞形は?



freedom の形容詞は free。では、liberty の形容詞形は?

freedom -> free 的な、一発で決まる形容詞はないらしい。

liberty の形容詞としては、liberalize, liberate という動詞の現在・過去分詞形など、いくつかの形があり、それぞれ具体的な意味がある。


英語
主な意味
liberal
自由主義の
libertarian
自由主義の支持者
libertine
放蕩者、道楽者
liberating
解放する
liberated
解放された
liberalistic
自由主義的な
liberatory
解放する
liberalizing
自由主義化する
liberalized
自由主義化された


日本語にするとどれもこれも似たり寄ったり。「自由な」ひとつで、こんなにバリエーションがあるとは…。英語も一筋縄では行きませんね~ (-.-;)

参考:


おまけ



フランス国旗を「トリコロール」と言うが、これってもしかして、「trois couleurs(トロワ・クールール)」を適当に日本語にしたのでは?!という疑問が沸いた。

調べてみると、トリコロールでいいらしい。スペルは tricoloreで、発音も「トリコロール」(カタカナとはだいぶ違いますが)で、国旗の表現をするときに使われる正しいフランス語だった。

カタカナ語に対して、疑い深すぎ?








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