出川イングリッシュで「自由の女神」は?
「世界の果てまで行ってQ」の人気コーナーと言えば、「初めてのおつかい」。課題をこなすために使われる「出川イングリッシュ」は、英語どころか、言語の域を超え、コミュニケーションの心髄というものを見せてくれる。
初期の頃のチャレンジで、「自由の女神に行く」というのがあった。最初は、「自由の女神」を通じさせようと、「フリーウーマン」や「ビッグホワイトドール」など、体当たり的な表現を繰り返し、四苦八苦していた。
「自由の女神」は正しくは、「Statue of Liberty(スタチュー・オヴ・リバティー」なので、もちろん通じるはずがない。結局、「ビッグドール、ニューヨーク No.1 スポット」という説明が何とか理解されたのをきっかけに、ミッションクリアとなった。
ちなみに、この時の出川氏の「ニューヨーク No.1 スポット」というのは、なかなかうまい言い方だと思う。直接の表現にこだわらずに、周辺から攻めるコミュニケーション方法というのは、とても参考になる。また、出川イングリッシュはカタカナ英語っぽいが、音としても通じやすい発音になっていると思う。
freedom と liberty
日本人は「自由」を表す英語としては、まず、「free」が思い浮かぶ。だから、出川イングリッシュでも「自由の女神」が「free
woman」になってしまったわけだ。
一方、free(名詞はfreedom)が表す「自由」と、liberty が表す「自由」は意味合いが違う。
英語のサイトでは、このような説明がある。
1. “liberty” は、自分の意志に従って行動・表現できること。“freedom” は、自分で自分の行動を決められること。
2.“liberty” は、「自由である状態」を表す。“Freedom” は具体的な「自由」を表す。
3. “Liberty” は、ラテン語の
“libertatem”から。“freedom” は、古い英語の “freodom” から。
4. いずれの言葉も、モラルや倫理の範囲内での「自由」を表す。
参考:
定義を聞いても、分かったような、分からないような感じ。英語のサイトに説明が載っているくらいだから、ネイティブでも難しいということかもしれない。しっかり使い分けるには、具体的なフレーズを覚えたり、例文などで感覚を養う必要があるようだ。
こちらには、freedom と liberty の違いについて日本語での詳しい説明があります。ご興味のある方はどうぞ。
「自由・平等・博愛」
「liberty」という言葉が使われる表現として、フランス国旗のトリコロールが表す「自由・平等・博愛」を思い出す。英語では、「liberty, equality, fraternity」、フランス語では、「liberté,
égalité, fraternité」となる。
フランス語が「liberté」だから、英語も「libetty」となったのだろうが、「何かをする自由」ではなく、「自由な状態」を表していると考えると、freedom でないことが納得できる。
liberty の形容詞形は?
freedom の形容詞は free。では、liberty
の形容詞形は?
freedom -> free 的な、一発で決まる形容詞はないらしい。
liberty の形容詞としては、liberalize, liberate という動詞の現在・過去分詞形など、いくつかの形があり、それぞれ具体的な意味がある。
英語
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主な意味
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liberal
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自由主義の
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libertarian
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自由主義の支持者
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libertine
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放蕩者、道楽者
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liberating
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解放する
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liberated
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解放された
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liberalistic
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自由主義的な
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liberatory
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解放する
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liberalizing
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自由主義化する
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liberalized
|
自由主義化された
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日本語にするとどれもこれも似たり寄ったり。「自由な」ひとつで、こんなにバリエーションがあるとは…。英語も一筋縄では行きませんね~
(-.-;)
参考:
おまけ
フランス国旗を「トリコロール」と言うが、これってもしかして、「trois couleurs(トロワ・クールール)」を適当に日本語にしたのでは?!という疑問が沸いた。
調べてみると、トリコロールでいいらしい。スペルは
tricoloreで、発音も「トリコロール」(カタカナとはだいぶ違いますが)で、国旗の表現をするときに使われる正しいフランス語だった。
カタカナ語に対して、疑い深すぎ?
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