英語での「職業」の言い方
学生の頃の英語の勉強で、いくつか印象に残っていることがある。ひとつは、「職業」を表すいろいろな単語があるのを知ったこと。ひとことで仕事と言っても、いろいろな意味があることにちょっとした感動を覚えた。
当時習ったのは、job、work に加え、occupation、profession、vocation、calling の4つ。今回、英語の類語辞典を調べてみたら、何と、occupation の類義語は、口語やフレーズも含めると35語もあった!
activity
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lick
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work
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affair
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line
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vocation
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business
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moonlight
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chosen work
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calling
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occupation
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daily grind
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craft
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play
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day gig
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do
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post
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line of work
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dodge
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profession
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métier
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employment
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pursuit
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nine-to-five
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game
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racket
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rat race
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grindstone
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slot
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walk of life
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hang
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thing
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what one is into
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job
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trade
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参考:Thesaurus.com
たった6語ほどで、「多い!」と思ったのは、ちょっと甘かったわけだ。この6語のうち、calling はあまり見たり聞いたりすることはないが、そのほかの5つはよく使われる。
Wiktionary をメインに、由来や意味合いを調べてみた。
語源は、中世英語の jobbe of work とされ、「仕事の一部」といった意味。
「仕事、作業」という意味のほか、「雇用」という意味でもよく使われる。
語源は、やはり中世の英語。work、werk という単語がもともと。現代のドイツ語で work にあたる単語は werk だ。
仕事に限らず、何かをやることを幅広く表す。「雇用されていること」や「働く場所」、「努力」や「成果物・作品」といった意味もある。
ラテン語のoccupātio から、フランス語のoccupation、これが中世英語のoccupacioun に。
仕事・職業のフォーマルな言い方。英語の書類で職業を書く欄には、occupation が使われている。動詞の occupy(占領する)の派生語で、「時間・空間を占領する」活動を意味する。「占領」の意味もあり、occupation army なら、進駐軍ということ。
ラテン語のprofessiō(人前で宣言すること)から、フランス語のprofessionとなり、アングロノルマン語のprofessioun となった。
主要な意味として、「宣言する、誓う」といった意味がある。仕事をするにあたって、「宣誓」が必要とされるような、高度な知識や技術をもって行う職業のこと。
ラテン語のvocātiō、vocātiōnem(呼ぶこと)がフランス語の vocation となり、英語に入った。
voc- は「声」を表す言葉。「神の声」による仕事=「天職」という意味合いがある。「職業訓練」と言うときはこの単語の形容詞を使って、vocational training と言う。
vocationと同様、「呼ぶこと=神に呼ばれること」が語源。
意味合いとしては、vocation より幅広く、職業に限らず、社会活動や研究なども含まれる。また、使命感を持って行う仕事のことを指すとのこと。
日本語の「仕事・職業」
英語に限らず、日本語でも仕事・職業を表す表現は多い。例えば、職業、仕事のほか、職・稼業、勤め、生業など。「生業」は、精通した仕事を行うイメージ。「勤め」と聞くと、義務感を伴う。天職も類語と言えるかもしれない。
また最近は、「ジョブフェア」など、「ジョブ」という言葉も外来語としてよく使われるようだ。
Weblio「仕事・職業の同義語・類語」
Goo 「職業の類語」
「天職とは」
英語の vocation や calling が表す、「仕事が神の声によって決まる」というのは、キリスト教的考え。神様が天職を教えてくれるなら、こんなにありがたいことはない。
デジタル大辞泉では、天職の第一義として、「天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業」という説明がある。自分の仕事が天職かどうかは、どうやったら分かるのだろうか。
最近の日経スタイルの記事に、天職に関わるこんな記事があった。
質問は、こんな内容。
(1)身をなげうってでもやりたいと、心から没頭できるか?
(2)個性や能力が生かせ、自分しかできないものか?
(3)大きな期待が寄せられ、本当に必要とされているか?
芸術や特別な技術に関わる仕事をしているような人以外は、この3つの質問すべてに「Yes」と言える人はほとんどいないのではないか。「身をなげうってでもやりたくて」「自分しかできない」「大きな期待が寄せされている」仕事に就ければ、こんな幸せなことはないだろう。
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