2018年8月9日木曜日

ことばと文化24「仕事・職業・天職」





英語での「職業」の言い方


学生の頃の英語の勉強で、いくつか印象に残っていることがある。ひとつは、「職業」を表すいろいろな単語があるのを知ったこと。ひとことで仕事と言っても、いろいろな意味があることにちょっとした感動を覚えた。





当時習ったのは、jobwork に加え、occupationprofessionvocationcalling の4つ。今回、英語の類語辞典を調べてみたら、何と、occupation の類義語は、口語やフレーズも含めると35語もあった!


activity
lick
work
affair
line
vocation
business
moonlight
chosen work
calling
occupation
daily grind
craft
play
day gig
do
post
line of work
dodge
profession
métier
employment
pursuit
nine-to-five
game
racket
rat race
grindstone
slot
walk of life
hang
thing
what one is into
job
trade

参考:Thesaurus.com


たった6語ほどで、「多い!」と思ったのは、ちょっと甘かったわけだ。この6語のうち、calling はあまり見たり聞いたりすることはないが、そのほかの5つはよく使われる。


 「職業」の意味合いの違い


Wiktionary をメインに、由来や意味合いを調べてみた。


語源は、中世英語の jobbe of work とされ、「仕事の一部」といった意味。
「仕事、作業」という意味のほか、「雇用」という意味でもよく使われる。


語源は、やはり中世の英語。workwerk という単語がもともと。現代のドイツ語で work にあたる単語は werk だ。

仕事に限らず、何かをやることを幅広く表す。「雇用されていること」や「働く場所」、「努力」や「成果物・作品」といった意味もある。


ラテン語のoccupātio から、フランス語のoccupation、これが中世英語のoccupacioun に。

仕事・職業のフォーマルな言い方。英語の書類で職業を書く欄には、occupation が使われている。動詞の occupy(占領する)の派生語で、「時間・空間を占領する」活動を意味する。「占領」の意味もあり、occupation army なら、進駐軍ということ。


ラテン語のprofessiō(人前で宣言すること)から、フランス語のprofessionとなり、アングロノルマン語のprofessioun となった。

主要な意味として、「宣言する、誓う」といった意味がある。仕事をするにあたって、「宣誓」が必要とされるような、高度な知識や技術をもって行う職業のこと。




ラテン語のvocātiōvocātiōnem(呼ぶこと)がフランス語の vocation となり、英語に入った。

voc- は「声」を表す言葉。「神の声」による仕事=「天職」という意味合いがある。「職業訓練」と言うときはこの単語の形容詞を使って、vocational training と言う。


vocationと同様、「呼ぶこと=神に呼ばれること」が語源。

意味合いとしては、vocation より幅広く、職業に限らず、社会活動や研究なども含まれる。また、使命感を持って行う仕事のことを指すとのこと。
  


日本語の「仕事・職業」



英語に限らず、日本語でも仕事・職業を表す表現は多い。例えば、職業、仕事のほか、職・稼業、勤め、生業など。「生業」は、精通した仕事を行うイメージ。「勤め」と聞くと、義務感を伴う。天職も類語と言えるかもしれない。

また最近は、「ジョブフェア」など、「ジョブ」という言葉も外来語としてよく使われるようだ。



 参考:


   

「天職とは」



英語の vocation calling が表す、「仕事が神の声によって決まる」というのは、キリスト教的考え。神様が天職を教えてくれるなら、こんなにありがたいことはない。


デジタル大辞泉では、天職の第一義として、「天から授かった職業。また、その人の天性に最も合った職業」という説明がある。自分の仕事が天職かどうかは、どうやったら分かるのだろうか。


最近の日経スタイルの記事に、天職に関わるこんな記事があった。



質問は、こんな内容。

1)身をなげうってでもやりたいと、心から没頭できるか?

2)個性や能力が生かせ、自分しかできないものか?

3)大きな期待が寄せられ、本当に必要とされているか?


芸術や特別な技術に関わる仕事をしているような人以外は、この3つの質問すべてに「Yes」と言える人はほとんどいないのではないか。「身をなげうってでもやりたくて」「自分しかできない」「大きな期待が寄せされている」仕事に就ければ、こんな幸せなことはないだろう。








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