2018年9月16日日曜日

イタリア語なるほどメモ37「床屋の語源は?」





床屋・ひげ・未開人



イタリア語で床屋は「barbiere(バルビエレ)」。英語の「barber」とよく似ているので覚えやすい。この言葉の語源は「barba(バルバ=ひげ)」。なるほど、ひげをそってくれるところというわけだ。そう言えば、日本でも床屋さんはひげを剃ることができるが、美容院ではひげは剃れないとのこと。




ひげの「バルバ」と聞いて、英語で「未開人」を表す「barbarian(バーバリアン)」という言葉が連想された。「バーバリアン」という言葉には、いかにもひげボーボーのイメージがあり、もしかしたら、関係があるのでは、と思って調べてみた。



バーバリアンの語源



古代ギリシャ人は、自分たちを「ヘレネス」と呼び、それ以外の民族を「バルバロイ(英語のバーバリアン)」と呼んだ。これは、異民族の言葉が「バルバル」といった音に聞こえたから、とされている。つまり、「バルバロイ」はギリシャ語以外の言葉を話す人たち、ということ。




ギリシャ語の βάρβαρος がラテン語の barbărus になった。古代ローマ帝国においての異民族とは、ヴァンダル族、フン族、西・東ゴート族などだった。



ひげとバーバリアンの関係は?



「バーバリアンはひげボーボー、だから、『ひげ』は『バーバリアン』が語源なのでは?」と考えるのは、私だけではなかった。日本語やイタリア語のサイトでは、このような記事・投稿はなかったのだが、英語サイトにはいくつか議論が見つかった。


Laudator Temporis Acti: Barbarians and Beards



で、結局、「バーバリアン」と「ひげ」が関係ある、というのは都市伝説ということのようだ。「バーバリアン=バルバロイ」はギリシャ語が起源、「ひげ=バルバ」はラテン語が起源ということで、この2つをつなぐ文献は見つかっていないとのこと。


ちょっとがっかり ('A`) ・・・



美容院は?



床屋のついでに「美容院」についても調べてみた。イタリア語で美容院は「salone di bellezza(サローネ・ディ・ベレッツァ)」という表現があり、まさに「ビューティ・サロン」という言い方。また、美容師は「parrucchiere(パルッキエレ)/parrucchiera(パルッキエラ)」と言う。これは、「parrucca(パルッカ=かつら)」という言葉に由来している。




なお、床屋の「barbiere」は職業の「理髪師」という意味もある。ロッシーニのオペラ「セビリアの理髪師」はイタリア語で「Il barbiere di Siviglia」。



床屋・美容院でやってくれること



Wikzionario によると、それぞれの仕事内容は次の通り。イタリアでも、ひげを剃れるのは床屋さんだけとのこと。



日本語
イタリア語
床屋
髪を切る
taglia i capelli
ひげを剃る
rade la barba
美容院
ヘアスタイルを整える
acconcia i capelli
髪を切る
taglia i capelli
髪を洗う
lava i capelli
髪を染める
tinge i capelli



おまけ:ブランドのバーバリーは?



ついでに、ブランドのバーバリーも音が似ているので調べてみた。こちらは、創業者の名前からつけられたもの。スペルは「Burberry」なので、まったく関係なかったですね (´-;)トホホ




参考:
Wikipediaバルバロイ」「barbaro」「baribiere」「parucchiere」「バーバリー
Wikzionariobarbaro」「barbiere」「barba」「parucchiere


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